だって言ってたー……



席替えをして隣同士になった私と誠也



そのころまではもちろん赤の他人だった訳で、お互い他人行儀だった



隣なんだし、一応挨拶しといた方がいいよね



“私、椎名彩”



昔から結構サバサバしていた私は自己紹介も単純だった



だって、最初に色々言ったって覚えられないし、後からゆっくり覚えていけばいいと思うから



ちらっと目だけで私を見た彼



“風間誠也。鬱陶しい女は嫌い”



あまりにも爆弾発言で今でも鮮明に覚えてる



でも面白くて、彼の忠告を無視して仲良くなりたいと思った



“あはっなにそれ!まあよろしくね”



そして今度は顔を丸ごと私の方に向けた彼



“あぁ。よろしく”



少し、ほんの少しだけ笑った彼はとてつもなくイケメンだった



無造作にセットされた黒髪と、全てのパーツが整った顔



Theイケメンって感じがした



“何、俺の顔になんか付いてる?”



不思議そうに私の顔をみた



“別になにも。ただ……”



ただ……



“不思議な目してるなって思っただけ”



そう、ただそう思った



“ふはっなに。普通だと思うけど”



確かにいたって普通なんだけど



黒の瞳に何処か影をおっているような感じがしたんだ……