苦しく辛い恋だとしても。




「そっか…!ありがとう」



小林が自分の席に戻り、ちょうどチャイムが鳴った



そして5限6限、あいつが帰ってくることはなかった



どこいったんだよっ……



「ごめん碧。俺…今日部活休む」


「おっけ。……頑張れよ」


自分の鞄を持ち、校門であいつを待つ



まだ鞄は教室にあったから、まだ帰ってはいないだろう



会って謝りたい、今までの事も全部



いじめに気付いてやれなかったことも



冷たく接して酷い言葉を言ったことも



ちゃんと守れなかったことも



全部全部……ちゃんと謝りたい




やがて聞きなれた声がして俺はそっちに目をやった



「は…」



そこにいたのは椎名



そして




王見隼斗だった




王見は学年でも有名な男


俺だって知ってる



だけどなんで王見が椎名といるんだよ



何故か無性にイライラする



じっと2人を見つめていると、椎名が俺に気付いた



…んな戸惑ったような顔すんなよ



ズカズカと椎名のとこまで早足で歩く



「帰るぞ、椎名」


「え?」



「いいから。行くぞ」



「待って!せっかく隼斗がっ…」



「俺のことはいいよ、彩。風間、俺おじゃま虫みたいだね、先に帰るよ」


そう言ってヒラヒラと手を振って優雅に帰って行った



だけど俺は見た



王見…あいつ俺のこと睨んでる



全体的に笑顔だったから分かりにくかったけど、目だけは俺の事をちゃんと睨んでた



「……誠也…痛いよ…離して」