「えー本気?……まあでも、いっか。今日はなんか私もサボりたい」


誠也の事も全部忘れて、楽になりたい



それから2人で先生にバレない場所を探し、一緒にくだらない話で盛り上がった


だけどなんでだろうね?



いくら笑っても笑っても思い出すのは彼の顔ばっなりなんだよ



こんなことなら、誠也のことなんて好きになりたくなかったよっ……



「……おーい彩。聞いてる?」


「えっあっ何?」



「今6限の終わりのチャイム鳴ったよ。みんなゾロゾロ帰ってる。俺らも帰ろ」



「そうだね。じゃ、荷物取ってこよ」



ガラッと教室を開ければ、やっぱり誰もいなかった



自然と目がいってしまうグラウンド



「誠也……」



あれ……?見当たらない……


今日はやってないのかな……



少し不思議に思い、 隼斗の元へ急いだ



「あ、来た。そんな走って来なくても良かったのに」



「だって……待たせるの悪いからっ…!」



下駄箱にクールに寄りかかっていた隼斗



「彩が言ってた男友達ってどんな男?」



「え?……う〜ん…凄くクールで…だけどたまに見せる笑顔が凄く可愛い……そんな感じかな」



「へぇ〜」


どうしてそんなこと聞いたんだろ……?



「隼斗は仲良い女子とかいないの?」



「俺はめっちゃ仲良い子とかはいないな……。みんな俺を物のように扱うから」



“誠也はものじゃない”


隼斗も誠也と同じなんだ



「…大丈夫。隼斗は人間だよ。物みたいに扱われる必要はない。少なくとも私は隼斗のことちゃんと1人の人間としてみてる」



ポンっと背の高い彼の背中を叩けば、何故か照れたような顔をした隼斗がいた