……午前7時30分



この時間が、私の毎日の楽しみ



「おはよ、椎名。行くぞ」



「おはよ誠也!」



玄関に行くと、優しい笑顔で微笑んでいる彼の姿がある



たまたまクラスが一緒で、席も隣で、家も隣だったその偶然の出来事から仲良くなった私たち



一緒に登校しようと言ったのは私



誠也と仲良くなったころから自分の気持ちに気付いたから



“好き”という気持ちに



お姉ちゃんが言ったんだ



“特別になりたいなら、行動あるのみ”って



だから勇気を出してお願いしたし、名前呼びも頑張った



「こないだコンビニ行ったんだけどさ、めっちゃうまいアイスあった。椎名も食べてみ」



まあ、当の本人はずっと名字呼びだけど



「なにそれ食べたい。何味?」



「しいて言うなら、カレー味?」



「うわっ食べる気無くなった」



「ひっでーなおい」



そんな他愛ない話をする時間がどうしようもなく好き



教室に入ったら、せっかく隣同士なのに誠也はクラスの男女に囲まれて大忙し



だから2人だけの今を大事にしたいんだ



「あ〜楽しい。ずっとこの時間が続けばいいのに」



「ドラ〇もんにお願いするんだな」



「私は本気で言ってるんですぅー」



私の本音も、誠也はサラッと受け流す


ちょっと寂しいけど、そんなのを顔に出したら彼が困る