「そっか!ありがと。誠也には言わなくていいから」


誠也にバレなくてよかった


この問題は、私1人で解決しなきゃ


「でも彩…風間くんも心配するよ…?」



「大袈裟だよ!優奈は心配性だね。ところで松本くん……」


隣から物凄い来る視線



「そんなに見られたら困る」


松本くんの方を振り向けば、彼は私の目をじっと見ていた



まるで私の本性を見抜こうとしているかのように



その視線に耐えられなかった私は



「……ほらほら、もうすぐ授業始まっちゃうし、早く席つこう?」



彼の視線から逃げた



さっきは味方してくれたのに、誠也に黙ってるのはダメなの?



松本くんと誠也は親友という深い仲



私と優奈は高校から出会ったけど、2人は幼なじみらしい



松本くんなりに思うことがあるのかな……



ボーッとそんなことを考えながら授業を受けていると、スマホが振動した



「……?」



先生にバレないようにスマホを机の下で起動させる



“誠也に言うか言わないかは彩ちゃん次第だけど、あいつが心配するような事はしない方がいいと思うな”



松本くんらしい、強引ではない文章だった



“そうだね…。ありがとう”



だから私も、そうするとは言わないー……



誠也が言った



鬱陶しい女は嫌いとー……



もし私が彼に助けを求めたりなんてしら、私はまさにその部類に入る



嫌われたくない



見放されたくない



彼の隣にいられるならなんでも受け止める



陰口なんて軽いもの



それくらい誠也が好きだからー……