圭介「それってつまり、その人は八回も人生で結婚してるってことですか!?」

大河「すごいな……。よく出会えたな……」

蘭「犯人の女性は暴力的な父親がいる家庭に生まれ、幼い頃から学校よりも仕事を手伝わされ、おしゃれをしたり異性と話すことが禁じられていました」

私「ちょっと待って?学校よりも仕事を手伝わせるって今だったら大問題だよ?」

大輔「その当時は勉強よりも仕事という空気が強く、学校側も強くは言えなかったんだ。そんな彼女の唯一の心の支えが、優しい主人公が登場する恋愛小説だった」

大河「心の支えがあってよかったじゃないですか!」

大輔「彼女は恋愛小説に夢中になり、やがて理想の白馬の王子様を探そうと心に決める。そして就職し、結婚をするんだ」

藍「恋愛小説に憧れる気持ちはわかるわ。でも、この事件があったということは彼女は物語のように幸せを掴むことはできなかったということなのね」

蘭「はい。彼女は最初の夫と離婚した後、新聞の恋人募集記事ーーー現代でいうマッチングアプリのような場所で恋人を作って結婚するのですが、男運はあまりなかったようです」