「おまたせ!………あ!これだよ!これ!」
この間見た映画とは別の映画の奴だった

「おぉ!見たかったんだよ!燿さんありがとう」

「では、ながしまーす」
楓が電気を消して、再生ボタンを押した







「…………?」
映画を見終わって長いエンドロールの中盤に入った頃、肩に楓が寄りかかってきた

「楓……?」
どんなに声をかけても、起きなかったため、抱きかかえて、ベッドに寝かせた

「これって、置いて帰ったらどうなる?」
そう思い、携帯を出し、燿さんに電話をかけた

合宿中に申し訳ないなという気持ちで

『はい……なんだ?柊、突然に』
少し息が切れた燿さんの声が聞こえた

「楓が寝ちゃったんですけど、置いて帰って大丈夫ですか?」
って、伝えだけなのに、向こうから焦ったような音が聞こえてきた

『お前!楓に手、出してないだろ?』
なんだ、そんなことか……