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「………いおーい、楓~!」

!?誰かに呼ばれてる!

「あ、ゴメン、柊、本が面白すぎて」

その声に意識を本から引き剥がす

目の前の後輩の本を受け取り、手続きをする


「やっぱり、瑛大の言うとおりだったな」

同じく笑いながら本を貸し出しを行う柊をむぅ、と見る

「………!?楓ちゃん!?」

知らない声……いや、聞いたことのある声


あ?、と凄みそうになるのを堪えて見上げる

「え!?こいつが」

柊が驚いたように齊牙の顔を見つめた

柊が珍しくちょっと鋭い視線を向けた


「いまから、また話せないかな…?ちゃんと告白したいなって、この間はゴメンね」

悪びれず謝るその態度にため息をつく

柊は、なにか考えるようなそぶりを見せたあと、

「いいよ、言ってきな、俺ひとりで大丈夫だから」

といった

驚いて目を見開き、柊を見ると、うん、と謎に頷いていた

渋々そいつについて行く


早く戻りたい、と、思いながらついて行ってついた先は、…


「で、何でこんなとこに連れてきたのよ」

────体育館倉庫だった

ちょうどいい、また変なことされたら、このバドミントンのラケットで殴れる


まだ、この状況でもそんなことを考えられる余裕がある、と自分にほっとする