「燿…………!と、届いた!」
目の前に掲げて燿に見せる

それは、湧と燿が私のために頼んでくれたDVDだった

「ん、あれか……没収な」

携帯を開き、柊に連絡しようと思っていた私は目を見開いた

「嫌!ダメ!」
必死に抵抗をする

「テスト、ダメだったから当分預かる」

「いーやーだ!」
燿からかろうじて取り返して抱えたまま靴を履いて外へ出た

「あ!ふうめ!」

てってこてってこ、大して速くない足でむかった先は道場だった


「おじさ……え!?何で!」
扉を慌ただしく開けた先の光景を見て驚く

「ふ、う?」
目の前に柊がいた

「楓ちゃ~ん!」「楓~~!」
年齢様々な子供たちが、門下生たちが寄ってくるが私の視線は縫い付けられていて動かない

「ここ、楓の知り合いの道場だったの?」
道着を着た柊はいつもと違く見える

「楓~!柊と組み手してよ!」
一人の男の子が言った

「無理だよ!私、柔道でも空手でもないし!」