「でも・・・」
「お前はもっと自信持て」
そう言った正太郎の顔が、目の前に迫る。
―――生まれて初めてのキス。
私は驚きのあまり硬直してしまった。
長い長いキス―――。
コンコン。
ドアがノックされて、正太郎は慌てて唇を離した。
「お粥出来たわよ」
ママが顔を覗かせた。
「あ・・ありがとう」
私の顔・・・赤くないかな?
正太郎を見ると、いつも通りになってる。
お粥を置いてママが出て行くと、正太郎はニッと笑ってこっちを見た。
「自信持てたか?」
「・・・ちょっぴり」
私は感触の残る唇に触れながら小さく答えた。
おわり


