アネモネになった少女





「私がその院長の話に出てくる娘?娘は行方不明なんでしょ?」




院長が話していることが未だ信じられない


だが、数年間見てきたから分かる。彼女は嘘は付いていなかった。


これが本当だったら、私の両親は死んでいることになる。両親がまだどこかで生きているかもなどと、馬鹿な考えをしてしまったものだな。



では、私の空白の幼少期は一体どこへ行ったのだろうか…



「この話に出てくるのがあなたかどうか、わからないけれど、あなたに関係していることはたしかよ。もう、いい歳頃よね。まだだと思っていたけれど、あなたの真剣な様をみて思った。捜し物を探してきなさい。出会いに感謝はわすれないでね。道に迷ったら連絡しなさいね。私の出来ることはこれで最後よ。」



院長はとても暗い顔をしていた。
私の事は私の目でちゃんと見てくるしかないって事ね。



院長はあの夫婦にもう一度会うことを許してくれた。

明後日に…私の事を彼らが少しでも知っているのなら、、会って確かめないといけない。



私の事を少しでも知りたい。


もしこれが危険な事だとしても


私の中にはもう迷いは無い。

そこに、真実があるのなら。