院長室で私と院長は2人で話した。
どうしても自分の事が知りたい。
険しい顔をした院長…
今までは何度も何度も言うのを渋っている様子だった。
やはり、今日も話すのをためらっていた。
でも…もう私は子どもじゃない。
知らない訳にはいかないの。
「お願いします。」
私の眼を見て院長は意を決したように話始めた。
「あなたのことはウチにきてから私が単独で調べたことなんだけど…」
とある田舎に生まれた少女がいた。
彼女は裕福な家庭に生まれたので、スクスクとなんの問題もなく育っていった。
彼女が3歳になった時である。
家が何者かによって燃やされ、家族はバラバラになった。
両親はどこを探しても娘たちが見つからないことに血の涙を流した。
娘は今も行方不明のままである。
どこで何をしているのか、はたまた生きているのかも分からない。
毎日が不安でたまらなかった。
毎日毎日警察とともに娘を探していた。
それでも見つからなかった、、、
だが、12年後の5月20日。
両親はとある廃工場で変死体となって発見された。
一体そこで何があったのか…
娘の行方は……
「その娘が、あなたよ。」
「え?」
