ある日突然、知らない男の子から声をかけられた。「私の大切な時間なのに、なんなの」って始めは思ってた。普通ならこの時間は学校の2限目になっているはずだ。でも、男の子は毎日ここへ来て話しかけてくる。ここまでの生い立ちを説明すると、
私、雨夜 詩菜(あめや しな)15歳、高校1年生になったばかり。でも、中学の時あることをきっかけにいじめに合いそれ以来学校に行けなくなった状態。運良く高校は上がれたものの、学校に行けないまま2週間が経ちこのままでは退学になるとの話。焦っていながらも行けない不登校女子のまま…。
「うす、」
「あ、おはよ、今日は早いんだね」
「別にいいだろ」
「って言うより何ひとりで話してたんだ?」
「別に。あんたには関係ないでしょ笑」
「関係あるっつーの。ここまで話聞いてやってんだから感謝しろよ!」
「はいはい。感謝してますよ笑」
彼との出会いは、突然だった。
私は中学の時のいじめが原因で不登校になった。不登校になった初めは、何もかも嫌だった。両親は学校に行けとしか言わないし、仲の良かった友達まで私がいじめられてるのを知ってから無視や避けられたりするようになった。初めの頃は周りからの無視をされていただけで負けたくないって思っていたから、いじめられても学校に行き続けた。でも、だんだんとエスカレートしていき、しまいには窓から突き落とされた。学校の窓からの景色や写真が好きだったから教室の窓から風を当たりながら夕焼けを見ていた。そしたら、急にいじめの張本人の陽キャ男子に押された感覚があり窓から落ちた。当たりどころが悪かったら死んでいたらしい。しかし、偶然にも落ちたところが海で軽傷を負っただけで済んだ。これを両親が知って学校中にこのいじめの話を広げた。みんな私を見ていじめられてる人という扱いをされるようになった。先生まで私を見捨てたかのように、プリントはあるものの裏側にはもう不要の要件が書いてある紙に毎回印刷されたものだった。両親にこれもバレてしまい、騒ぎにしないようお願いした。でも、両親はまた学校で騒ぎにした。だから、それ以来学校には行けていない。
それからしばらくして布団から出られるようになった。少し勉強をしたり動画を見たりしていた。少しでも外に出られるようになりたいと思い、近くの公園まで歩きに行った。
この公園が今まで以上に素敵なところで、唯一私の自分自身を受け入れてもらえているように思えて、ここで過ごしている。本を持ってきて読んだり、おしゃれな写真を撮ったり、たまに遊具で遊んだりしている。