自宅に地下室があるなんて……本当にすごい。
それにしても、由岐先生にお兄さんがいたなんて初めて知った。
無愛想なところは由岐先生と似てるけど、ちょっときつそうで由岐先生とはまたちょっと雰囲気が違う。
それにあの空気、なんだかわけありな感じ……。
考えながら地下室に入り辺りを見回す。
右手のケースにあるっていってたけど、どれだろう。
「カップならそのケースの中」
「えっ」
突然の声に振り向くと、背後には智成さんの姿があった。
その言葉に従いケースを開けると、その中には確かに真新しい箱にティーカップのセットが入っていた。
「どうしてカップを探してることを……?」
「母さんとの会話が聞こえたから。この部屋の中わかりづらいだろうと思ってついてきた」
なんだ、意外と優しい人なのかも……。
そう思いカップが入った箱を取り出そうとした、けれど。
「それで、アンタどうやって徹也のこと落とした?」
「え?」
突然投げかけられた問いに、私は意味がわからず首をかしげる。
「なんのこと、ですか?」
「とぼけるなって。自分のことには無頓着で、結婚話も親が勧めるまま受けてたあいつが、それを蹴ってアンタを選ぶなんてよっぽどだろ」
冷めた目をした彼は、鼻で笑いながら一歩こちらへ近付く。



