「よく分からないが、お前らの仲間ならくたばったぜ」
渋賀は挑発するように言った。鮫都は倒れている騎士の手から剣を取った。
二匹は一瞬顔を見合わせると、同時に動いた。
渋賀には槍を持った方が。鮫都には斧を持った方が襲いかかった。渋賀が槍を棍棒で受け止めると、木製の棍棒に槍が突き刺さり抜けなくなった。渋賀は棍棒を上に放ると、蛇を殴った。蛇は口から血を吐きながら倒れた。
「うおおお!」
鮫都は振り下ろされた斧を剣で弾くと、距離を取り、剣を構え直した。
「ちくしょうが……やってやるよ!」
叫びながら蛇に斬りかかった。剣と斧がぶつかり合うと、蛇は後ろによろけ隙を晒した。鮫都がすかさず首を切りつけると、蛇の頭部は身体を離れ、地面に転がった。
「や、やったぜ……」
鮫都は息を切らしながら血の付いた剣を見つめた。
「やるじゃねえか」
いち早く敵を仕留めた渋賀が後ろに立っていた。
切断された頭を見ると、それは言葉を発した。
「お前ら……俺の仲間が必ず、殺しに行くからな」
「まだ生きてるのかこいつ……」
「俺たちの大将は……化け物だ。お前たちなど……」
「お前もバケモンだろうが」
渋賀は蛇の頭に棍棒を叩きつけとどめを刺した。
「生命力凄いな。こっちも頭潰しとくか」
渋賀の無邪気な表情に鮫都が恐怖を感じていると、騎士がゆっくりと近づいてきた。
