「いってえ……くそ」
渋賀が頭ををさすりながら起き上がった。蛇は首を傾げた。
「生きてやがったのか。おかしいな、もう一度なぐ……」
蛇の腹に渋賀の拳がめり込んでいた。蛇は口を震わせると、あっけなく倒れた。
「ハハッ。こいつ大したことねえ。みんな行くぞ」
「お、おい渋賀大丈夫なのか?」
鮫都の心配をよそに、渋賀は棍棒を拾い上げると残りの二匹を倒すべく走り出した。
「よし、俺もやってやる!」
鮫都も後に続いた。
一真は瞬きをするのも忘れ、目の前の光景を見ていると
「そこで何してる?」
背後から声がした。一真が振り向くとそこには蛇が立っていた。一真は逃げようとしたが、蛇は一瞬で接近し一真の首を掴んだ。
「後ろにも気を配らないと駄目じゃないか」
蛇は楽しそうに言った。一真は首に食い込む指を剥がそうとしたが、呼吸が出来ないせいか力が入らなかった。
(こんな所で人知れず死ぬのか……何も分からないまま……)
意識が遠のいてきたその時、かつて友と呼べた少年とゲームセンターにいる光景が浮かんできた。
(なんで今お前が……)
一真は少年に話しかけようとしたが、少年は揺らめきながら煙のように消えてしまった。
(なんなんだよ——どいつもこいつも……!)
意識が鮮明になると、手の平から線状の光がうねりながら出現していた。一真は困惑しながらも素早く腕を上げた。緑色の光は鞭のように蛇の頭を叩いた。蛇の指が一真の首から離れた。
「お、お前……何を……」
蛇は頭を押さえながら後ずさりした。
「俺は——望まれなくても生き延びてやる……!」
一真は腕を振り、光の鞭を蛇の顔に打ち付けた。蛇の顔はひしゃげ、力なく倒れた。
「これは……何なんだ?」
一真は己の手を見て呟いた。光の鞭はは徐々に手の平に吸い込まれていった。
「あれ、久住? 何やってんの?」
背後に田辺マークが立っていた。
「その蛇、まさか久住がやったの?」
「いや、いきなり襲われて……なんとか」
「マジで? 凄いな…… 後で詳しく聞かせてくれ。あっちもやばい事になってるよ。行こうぜ」
促され、一真は右手を気にしながらついて行った。
騎士の男と蛇は睨み合っていた。二匹の蛇は舌舐めずりしながらじりじりと歩み寄る。渋賀の接近に気づくと、蛇は首を捻った。
「ラガの奴しくじったのか? 武器も持ってないプエイル人相手に」
蛇は不思議そうに言った。
渋賀が頭ををさすりながら起き上がった。蛇は首を傾げた。
「生きてやがったのか。おかしいな、もう一度なぐ……」
蛇の腹に渋賀の拳がめり込んでいた。蛇は口を震わせると、あっけなく倒れた。
「ハハッ。こいつ大したことねえ。みんな行くぞ」
「お、おい渋賀大丈夫なのか?」
鮫都の心配をよそに、渋賀は棍棒を拾い上げると残りの二匹を倒すべく走り出した。
「よし、俺もやってやる!」
鮫都も後に続いた。
一真は瞬きをするのも忘れ、目の前の光景を見ていると
「そこで何してる?」
背後から声がした。一真が振り向くとそこには蛇が立っていた。一真は逃げようとしたが、蛇は一瞬で接近し一真の首を掴んだ。
「後ろにも気を配らないと駄目じゃないか」
蛇は楽しそうに言った。一真は首に食い込む指を剥がそうとしたが、呼吸が出来ないせいか力が入らなかった。
(こんな所で人知れず死ぬのか……何も分からないまま……)
意識が遠のいてきたその時、かつて友と呼べた少年とゲームセンターにいる光景が浮かんできた。
(なんで今お前が……)
一真は少年に話しかけようとしたが、少年は揺らめきながら煙のように消えてしまった。
(なんなんだよ——どいつもこいつも……!)
意識が鮮明になると、手の平から線状の光がうねりながら出現していた。一真は困惑しながらも素早く腕を上げた。緑色の光は鞭のように蛇の頭を叩いた。蛇の指が一真の首から離れた。
「お、お前……何を……」
蛇は頭を押さえながら後ずさりした。
「俺は——望まれなくても生き延びてやる……!」
一真は腕を振り、光の鞭を蛇の顔に打ち付けた。蛇の顔はひしゃげ、力なく倒れた。
「これは……何なんだ?」
一真は己の手を見て呟いた。光の鞭はは徐々に手の平に吸い込まれていった。
「あれ、久住? 何やってんの?」
背後に田辺マークが立っていた。
「その蛇、まさか久住がやったの?」
「いや、いきなり襲われて……なんとか」
「マジで? 凄いな…… 後で詳しく聞かせてくれ。あっちもやばい事になってるよ。行こうぜ」
促され、一真は右手を気にしながらついて行った。
騎士の男と蛇は睨み合っていた。二匹の蛇は舌舐めずりしながらじりじりと歩み寄る。渋賀の接近に気づくと、蛇は首を捻った。
「ラガの奴しくじったのか? 武器も持ってないプエイル人相手に」
蛇は不思議そうに言った。
