カラー×カラー×カラー ~Cruzar Another story 2/5~

ママは依存性が強い人で、パパはそれが嫌で逃げたらしい。

それから、ママは私を溺愛した。

学校にも通わせず、危険だからと外にも出さなかった。

外が危険なら出ない方が良いのだろうと、私は外に出たいとは思わなかった。

パパがいなくても、友達がいなくても寂しいとは思わなかった。

ママがいれば寂しくなかった。

そんな生活で言葉を交わすのは、ママとたまに家に来るママの知り合いの女の人だけだった。

綺麗なマニキュアが印象的な人だった。

その人は、昔ママと一緒に働いていたらしい。