「頼りにしてます。」

亜木さんが西口に足を向けた時、胸ポケットに入れたスマホが震え、彼女はそれを取り出すと着信を知らせる画面を見て顔に疑問符を浮かべた。

「あれ?大塚さんからです。」

大塚のおじ様には先程連絡したばかり。何か急用だろうか?

電話に出て数回言葉を交わすと、亜木さんはスマホから耳を放した。

「大塚さんがこれからこっちに来るそうです。時間が合えば会いたいそうなんですが、待ってますか?」

「待つー!」

私は興奮気味に即答した。

先程大塚のおじ様と言葉を交わしたけれど、直接会うのとはまた違うもの!

「10分くらいで着くそうです。」

大塚のおじ様に会えるなんて思ってなかったから、いつもの感じで家を出てきてしまったわ。

「ねえ、亜木さん!私、変なところないかしら?」

通話を終え、スマホを元の場所に戻した亜木さんの前で、くるりと回り聞いてみる。

ふわりと広がったスカート、揺れるフリルとレースに、亜木さんは顔を綻ばせた。