カラー×カラー×カラー ~Cruzar Another story 2/5~

「防犯カメラの台数が多くて確認に手間取ってるみたいですが、期待は出来ないですね。」

「"映ってない"か…」

「はい、現在確認が終わった分だけでも、ある時間から誰も映ってないそうです。駅にいた人全員。
まるで終電後の駅みたいだって言ってました。」

「屈折させて、防犯カメラに映らないようにしたか。」

「恐らく。」

「ああー、分かんねーことばっかだな。」

おじ様がガシガシと頭をかいたところで、一番近い規制テープの所から明るい声が響いた。

「これはこれはゼロ課の皆さ~ん!事件ですか~?事件ですよね~?はははっ、事件以外にないか~」

「面倒なのがきたな。」
「面倒なのが来ましたね。」

おじ様と高木さんが心底うんざりした顔を隠そうともしないこの人、名を増田さんと言う。