それから、葵くんの部署の前を通るたびに相良さんの姿がそばにあった。


まるでわたしに見せつけるかのように…。




気にしない、気にしない。




だって、わたしももういい大人なんだ。


丸出しの嫉妬はやめよう。



と心に決めていた。





だから、家でも葵くんには普通に接するようにしていた。




でも、理由は他にもあって、律が変に勘づかないように気をつけていた。



どうやら子供は親のちょっとした異変などに敏感らしい。

律だけにはそんな思いをさせるわけにはいかない。





それと同時に、高橋くんがよく話しかけてくるようになったのは気のせい…?だろうか。