男装女子の恋は難しい。

《告白!?》
授業つまんねー。早退しよーかな。
そう思いながら頬ずえをつく。すると突然、肩をポンポンと叩かれた。叩かれた方に目を向けると、星宮さんが小さく折りたたんだ紙を俺の方に渡して
「見て。」
そう言うと、星宮さんは頬を赤くしながら視線を戻した。
その後、俺は紙を開けて見た。
゛放課後、屋上に来てください゛
え?放課後に屋上?そう思いつつ、紙の端に
分かったと書いて星宮さんに渡した。

放課後。ホームルームが終わった後、俺は星宮さんのいる屋上へと向かった。

屋上に行くと、星宮さんが耳と頬を赤くしながら待っていた。
「星宮さん、どうしたの?急に(笑)」
そう言うと星宮さんは大きな声で
「北条くん!一目惚れしました!私と付き合ってください!」
はい?一目惚れ??最初にそう思った。まだ会って1日も経ってないのに一目惚れ!?
「えーと…、ごめん…なさい…」
「気持ちは嬉しいけど、星宮さんと会って1日も経ってないのに付き合うことはできない…です…」
そう言うと、星宮さんは俺に近づいて
「なんで?」
と言ってきた。星宮さんはずっと「なんで?」を言い続けながら俺に詰め寄ってきた。俺は怖くなって後ろに下がっていると段差につまづいてしまった。すると、星宮さんの表情が変わった。なんかあったのかと周りを見るとウィッグが落ちていた。まさかと思い、持っていた鏡で確認すると、女の子の姿の俺だった。
しまったと思い、ウィッグを被ると
「北条くんって女の子なの?」
と星宮さんが興味津々に聞いてきた。だから俺は星宮さんに俺の秘密を打ち明けた。すると、星宮さんは
「北条くんが女の子!?めっちゃ可愛い!!!」
と言った。そうだろうかと疑問を持ちつつ、俺は告白の返事をした。
「星宮さん、俺は男じゃないから付き合わない方がいいよ。この学校は男子の割合が多いから、俺より他の男を選びな?」
言い終わった後、星宮さんは笑顔でこう言った。
「私は北条くんが女の子でも、男の子でもいい!」
「北条くんがいい!」
そう言われた俺はドキッとしてしまった。
「友達からならいいよ。でも、俺が女の子っていうのは秘密ね」
「分かった!あとね、北条くん…」
と言い、何か言いたい事があるかのように俺に近づいてきた。
「どうしたの?」
と俺が聞くと
「連絡先交換しない?」
と聞いてきた。俺は何も悩むことなく、連絡先を交換した。