あれから、ちょくちょく顔は合わせてたけど、なかなか連絡先を聞けない俺。那桜に聞けばいいけど、自分で聞きたい!と思ってしまったから、なかなか一歩が踏み出せずにいた。

そうこうしている間に、
気がつけば3月で。卒業式を迎えていた。
俺も那桜も第一志望の高校に入学が決まっている。那桜とは離れるし、俺の行く高校は家から遠いから那桜の家にもなかなか行けなくなるかな。
まぁ、家庭の事情もあるから仕方ないんだけど...

『はぁーあ。卒業かぁ。』
『高校では彼女作るぞー!』
『でも、お前が行く高校って、そういうの厳しくなかったっけ?』
『そうだったぁ。』
『今時そんな学校あるのな!』
春「俺、ちょっとトイレ行ってくる。」
『うぃー!』

トイレから帰ってくると、俺らのクラスを除く
美桜ちゃんがいた。

春「美桜ちゃん?」

美『あっ。
  あっ!卒業おめでとうございます。』

可愛いなぁ...

春「ありがとう。美桜ちゃん、今日も可愛い
 ね。」

おい、俺!心の声が言葉になって出て来てるぞ!
軽いヤツに思われりだろ!

美『あ、ありがとうございます。照れます。
 先輩、言い慣れてますね。』

ほら、やっぱり...ごまかせ!ごまかせ!

春「そんなことないよ。
 もしかして、那桜に用?」

美『はい。いますか?』

春「今、生徒会で動いてて。」

美『そうなんですね。じゃあ、これを・・』

『おっ!那桜の妹ちゃんじゃん。』
『ほんとだ!どしたの?』
『那桜に届け物?預かろうか?』

そんなのダメだ!

春「いや、俺が頼まれたんだし!」
『なんだよー!』
『妹ちゃんまたねー!』

美『あっ!』

しまった。奪い取っちゃった。

春「俺が責任を持って渡しておくから。」

美『あ、ありがとうございます。お邪魔しまし
 た。』

何か言わなきゃ!何か...

春「ま、待って!」

美『?!』

春「また、遊びに行くから。」

美『は、はい。お待ちしてますね。じゃあ。』

じゃあ...
もっと君と仲良くなりたいよ...