あの日から、俺は頭のどこかで美桜を想いつつ、
考えないようにしていた。

そんなある日。

『あのーちょっといいですか?』

俺はスカウトをされた。
自分でも驚いたけど、モデルを中心にレッスンを受けながら、ゆくゆくは映像の世界へ進出できたら...と言われた。
家族にも相談をした。

母『うちの春瑠が芸能人になるの?!』

父『すごいな!』

母『でも、私たちの春瑠が取られちゃうみたいだ
 ね。』

春「何言ってんの!?」

悟『春瑠は将来の夢とかないの?』

春「夢か...今はない。でも...」

香『でも?』

春「俺、変わりたい。自信をつけたい。」

香『もう決まってるじゃん!やってみれば?春
 瑠にとって、いい経験になると思う。大変か
 もしれないけど、自分を信じて頑張ってみた
 ら?』

ねえちゃんの言葉で気持ちは固まった。
大変なことの方が多いかもしれない。でも、自分らしさを見つけて、変われるように、自分を信じてみようと思った。

そして高3になって、事務所に入った...