「……えっ?」

わけがわからなかった。昨日、笑い合ってケーキやご馳走を食べて、プレゼントを二人からもらったのに。一体、この一晩で何があったの?そう聞きたいほど突然のことで、理解できなかった。

結局、僕はどちらも選ぶことができなくて、父さんと母さんは話し合って僕は父さんと新しいお母さんと暮らすことになったんだ。

家族だった人が突然家族じゃなくなって、毎日が悲しくて何もする気がなくなった。どうなっても構わなくて、食べることも眠ることもできず、ただ泣いた。

その時、人が一番傷付いた瞬間を見ることができる能力を手に入れたんだ。あの頃は心が荒れていて、その能力と向き合う余裕なんてなかったけど。

さすがに様子がおかしいと思った父さんは、僕を病院に連れて行った。それがアキメネス先生との出会い。僕はうつ病と診断され、先生とカウンセリングを定期的にすることが決まった。

でも、トゲトゲな気持ちで心が支配されていた僕は、先生に苛立って反抗的な態度ばかり取ってしまう。だけど先生はいつもニコニコしていた。

「こんにちは、レイモンド。今日はいい天気だね。洗濯日和だよ」

「うっせえな!黙れ、カス!」