先生の姿を見た瞬間、僕、レイモンドの頭の中に先生と出会った時のことなどが一気に思い出されていく。まさか、こんなところで巡り会えるなんて夢にも思わなかった!

先生は、僕の心を救ってくれた人だ。そして、僕に人の心を救うという夢を与えてくれた。

先生に出会えてなかったら、僕は自分から死を選んでいたかもしれない。もしも生きていたとしても、殻の中に閉じこもって誰も信じられない人間になっていたかもしれないんだ。

先生と初めて出会ったのは、僕がまだ十歳の幼い少年だった頃。僕は今よりもずっと無愛想で、口も悪く、先生に暴言ばかり吐いていたような気がする。

こうなったのは、僕の両親が原因だ。ずっと仲がいい家族だと信じて疑わなかったが、両親は互いに別の相手に想いを寄せ、家族が大好きな僕のためだけに「いい家族」を演じていた。

「お父さん、お母さん、今日ね先生に褒められたんだ!テストの成績が学年で一位だったんだよ!」