「潜入するのはいいですけど、こんな事件を起こしている人が問い詰めたところで白状するとは限りませんよ?」

エヴァンの言葉に、レティシアとレイモンドが確かにそうだと言わんばかりに頷く。確かに、人間の中には嘘をつくのが得意な人がいる。その嘘を見破れる人物は限られてくるだろう。

「心理学に長けているのはレイモンドだけだろ。レイモンドが潜入するのか?」

フリージアがそう言い、レイモンドを見つめる。精神科医の彼なら嘘も見抜けるかもしれない。しかし、レイモンドは「僕一人じゃ無理だよ」と首を横に振った。

「僕は確かに心理学を勉強して、今は精神科医をしてる。でも、僕は犯罪心理学を勉強したわけじゃないから、犯罪者の考えなんて読めない」

「それじゃ、一体どうするの?」

レティシアの瞳が不安げに揺れる。しかし、シオンとサルビアは落ち着いた様子だった。

「心配ありません!そのために、捜査協力をある人に要請したから!入って来てください、アルミン・アキメネスさん」