例えば 会社に 何かが起きて 最悪の事態になった時
沙織は 紀之を 支えられるのだろうか。
もし そうなったら 紀之の人格は 変わってしまうかもしれない。
それでも沙織は 紀之と一緒に 家族を守る努力が できるのだろうか。
子供達の寝顔を のぞく紀之を見ながら 沙織は考えていた。
紀之が 振り返って 沙織に微笑んだ時 沙織は確信した。
『私は 何があっても 紀之さんを守る。』
「よく寝ている。可愛いな。」
子供部屋のドアを 静かに閉める紀之に
沙織は そっと腕を絡める。
紀之は 驚いたような 照れた顔で 沙織を見る。
「どうしたの。」
と甘く囁いて。
「ううん。ちょっとね。」
沙織は 紀之の肩に もたれた。
家の中なのに。
「本当に、どうしたの。」
寝室のドアを そっと閉めて
紀之は 沙織を抱きしめた。
「紀之さんの 奥さんになれて よかった。」
紀之の胸に 顔を埋めて 沙織は言う。
「今更?」
紀之は いたずらっぽく笑う。



