家族みんなの 期待通り 樹は 第一志望の小学校に 合格した。

喜ぶ紀之を見て 沙織は涙汲む。
 

「すごいぞ、樹。すごく 難しい小学校に 合格したんだよ。よく頑張ったね。」

大袈裟に喜ぶ 紀之に 樹も 嬉しそうに微笑む。
 

「カッ君も 絶対、合格する。お兄ちゃんと 一緒の学校に行く。」

紀之と樹を見て 翔が言う。


翔も その年から 幼児教室に 通っていたから。


みんなが 驚いて 翔を見る。
 


「カッ君は お兄ちゃんが 試験の時 お利口に お留守番できたものね。カッ君も 偉かったのよね。」

沙織は 翔を抱きしめる。


翔も 得意気な笑顔で みんなを見た。
 

「そうね。次は カッ君の番よ。ママ、休む暇無いわね。」

とお母様も笑った。
 


この家族なら 大丈夫。

翔も 必ず合格する。


そのためなら いくらでも 頑張れる。


沙織の心は 幸せな責任感で 満ちていた。