──告白──


放課後

水「あ、屋上行かなきゃ」
晴「そっか!じゃあまた明日〜!」
水「また明日!」
清「どこ行くんだ?」
水「屋上だよ!奏夜に呼ばれてさ」
清「……そうか…頑張れよ」
水「?よく分かんないけど、ばいばい!」
清「じゃあな…」
清(俺…このまま終わんのかな…)

テクテクテク…キィ
屋上に出ると、空はみかん色に染まっていた。高い柵の隙間から漏れる太陽の光は、とても眩しかった。
水「奏緒ー?いるー?」
奏「あ!水香!」
水「どうしたの?屋上に呼び出したりなんかして」
奏「それは……」
水「?」
奏「ねぇ、僕達が初めて会った時のこと、思い出した?」
水「うーん…やっぱり分かんないな…」
奏「そっか…」
水「…………」
奏「僕は覚えているよ。君が、まだ弱い僕を助けてくれた事。凄く嬉しかったんだ」
水「私…そんなことしてたんだ…ははは…」
奏「でもちょっとびっくりしたな、小さい女の子が自分より凄く大きい男に向かって叫んでたの」
水「なんか恥ずかしいな…全然覚えてないのに…」
奏「…僕は、君に救われたんだ」
水「へ?」
奏「君がいなかったら、僕は今頃友達も出来ていなかったし、こんな不思議な気持ちになることもなかった!」
水「不思議…?」
夕方の風が、優しく屋上に吹き込む。
そして─
奏「俺は!そんな誰にでも優しくて、俺を救ってくれて、笑顔が素敵な君が好きなんだ!!」
水「!!?」
奏「こんな俺でよければ…付き合ってくれないか!!」
水「あ…」