──僕の服──


水「てこと、今頃の時期だったんだよね」
奏「水香もそんなことが……」
水「じゃあついでに、私からもいい?」
奏「い、いいよ!」
そう言うと、私は奏緒の袖の裾を掴んだ。
水「日焼け止め塗るのが嫌いなのに、なんで顔はそんなに白いの?」
奏「えっ!?そ、それはーそのー…」
水「流石に変じゃない?」
奏「……本当は…日焼け止め塗るの嫌いだからじゃないんだ…」
水「?」
奏「僕…男の子なのに腕が貧弱過ぎてみんなにバカにされてたから……長い袖の服を着てればその心配は無いかなって!」
水「あ…そうだったんだ………」
奏夜は、私に心を開くように腕を見せてくれた。確かにうちのクラスにいる男の子より腕がとても細かった。
水「このままじゃ夏になった時熱中症でダメになっちゃうよ!いい?この学校に転校してきたんだよ!もう奏夜をいじめるやつなんていないんだよ!」
奏「そ……それは…」
水「もし何か言われたら私に言って。その人たちにガツンと言ってあげるから!」
奏「う…分かった」
奏夜は少し照れていた

数日後

奏「お、おはよう…!」
水「おはよ!すっごい涼しそうだね!」
奏「うん!水香のおかげさ!」
晴「てか、奏夜腕ほっそ……折れない?」
奏「そこまでじゃないし!?」
水「これで熱中症の心配はなくなったね!」
奏「うん!ありがとう!……」
晴「どうかしたの?ボーっとしてるけど」
奏「あ、いや何でもない!考え事してただけさ!」
水「そう言えば、奏夜最近やっと敬語終わったよね〜。私の事も呼び捨てになったし」
奏「え?結構意識はしてたんだけどなー」
晴「あと背も伸びた。転校してきた時は水香と同じ…いや、小さいくらいだったのに、今身長超えたよね」
水「ぅ」
奏「だいぶ環境がいいから、僕も元気に過ごせるようになってきたんだ。転校してきて良かったよ」
水「もう無理しなくていいんだよ!」
晴「そう言ってるぽまえが1番無理してんだよなー」
水「なんですって?」
晴「あやっべー逃げよ」
水「待ちなさい」
奏「………はぁ……」
最近凄く水香の事を意識するようになってきた。やっぱり好きなんだ。でも、いつ告白したらいいのだろうか。
奏「ん〜………………あ、そう言えば…」
─ ファッションとか見た目に関して相談したかったら、私に聞いてね!─
奏「…一応聞いてみるか…」
タッタッタッタッタッタッ
奏「明日ーいる?」
明「はいはーい!何ー?」
奏「その…服装とかについて教えて欲しいんだけど…いいかな?」
明「!もちろん!!じゃあ、今週の土曜日ちょっと付き合ってよ!」
奏「ありがとう!分かった!」

土曜日

奏「ここで良かったかな…?」
タタタタ
明「おまたせー!じゃあ行くよ!」
奏「うん!」
テクテクテク
奏「わ〜すげ〜服いっぱいある…」
明「ふふ♪」
奏「?どうしたの?」
明「いや、るーさんと来た時と同じ反応してたからついw」
奏「へ〜そうなんだ…」
明「ところで、なんで急に相談しに来たの?」
奏「その…実は…告白しようと思ってさ…!」
明「ピタッ……そう言うことかー」
奏「今のままだとダメかなって思ってたから…」
明「よし!じゃあついでに髪も切りに行くよ!」
奏「え!!?」
明「せめて顎の辺りまで切った方がいいわよ!体が涼しそうでも頭が暑そうで仕方ないわ!」
奏「……うん…そうだね!思い切ってきってみる!」
明「その勢いよ!」

散髪✂️

奏「はわわわ………ど、どうかな…?変じゃない?」
明「やっぱ切って良かったじゃん!軽そうで見てる側も涼しくなれるわ!」
奏「そうか…良かった…」
明「大人しい美少女ってカンジ!」
奏「なんで女なの!?」
明「あはは〜!ごめんごめん!でも、本当にかっこよくなったと思う!」
奏「て、照れるなぁ…//」
僕は髪を切って、スッキリした見た目になった。あんまり顔は見せたくなかったが、正直邪魔だったから良かったかもしれない。
明「あとはそれね」
奏「?」
明「め・が・ね!コンタクトにしたら?」
奏「あ、そうだね…もう要らないし」
明「え?要らないの?ちょっと度確かめていい?」
奏「あ…いいけど…」
明「……え!うそ!?これ伊達メガネ!?」
奏「うん…メガネかけてないと女みたいって言われてたから…でももう必要ないし、つけるの辞めるよ」
明「うん…それじゃあ…告白頑張ってね…!」
奏「うん!ありがとう!」
タッタッタッタッタッタッ
明「………私は前のあなたも好きだったんだけど…しょうがないよね…」

翌日

水「奏夜どうしたのそれ!?」
晴「フラれたんか?」
奏「失礼な!?髪を切ってきたんだよ!」
水「へ〜似合ってるじゃん!切って正解だったね!メガネもない方が似合う!」
奏(ズキ)
嬉しい。容姿を褒めてくれるのは、今までずっと両親だけだったから。─僕は決めた。
奏「水香、今日時間ある?」
水「あるけど?」
奏「放課後、屋上に来てくれないかな?」
水「いいよ!」