「日本に帰ってくるの何年ぶりだろ...」



私、来栖美莉は3年ぶりに帰国した。



奈莉に会いに行こうか…でも、奈莉は私なんかに会いたくないかもだし…。



そんなことを考えていると、私のスマホがなった。その〝奈莉〟からの電話…。



「もしもし…」



「もしもし、美莉?俺、奈莉だけど。」



久々の奈莉の声・・・


んー?


奈莉とは頻繁に連絡とってるから久々なのか?



「うん。」



「日本に帰ってきたってほんと?ニュースで見てびっくりしたよー。今どこにいんの?」



奈莉の声いつにも増してご機嫌だな〜


まだターミナル出たばっかりだから・・・



「まだ空港だよ。でも、どうして?」



「どうしてって、迎えに行くからに決まってるでしょ。」



「でも、私は…。」



「またそれ?俺は恨んでないって言ったよね?美莉は深く考えすぎなんだよ。俺は美莉が誇らしいんだから。」



「ありがとう、奈莉」



思わず涙が零れた。



「泣くなって!あーもう…。もうすぐ着くからターミナルの方にいてね。」



「うん、ありがとう」



電話を切った後も電話を眺めた。



「なりは優しいね…。」



私は、誰にも聞かれない儚いような、か細いような声で呟いた。