「三恋都、ストップ!ストップ!オフィス中に響いてるから!」

未来に慌てて口を塞がれ、ようやく私の悪口は引っ込む。未来に愚痴ったことで心の底で煮えたぎっていた怒りもちょっとはマシになった。よし、今晩はビールを飲みまくるか!

「でも、三恋都って仕事人間だよね〜。人の仕事までこなしちゃってさ、私には無理だよ〜」

怒りが一旦落ち着いたことで、私はまた仕事に戻る。すると未来がそう言ったので、私はもう一度キーボードを打つ手を止めた。

「私、キャリアウーマンにずっと憧れてるからね。恋愛とか興味ないし、男とイチャつくとか無理なんで」

男なんてろくな生き物じゃない、そう小さい頃から思って生きてきた。

私の母は、私が幼い頃に離婚した。原因は父親の酒癖の悪さ。幼かった私も覚えている。常に酔っていて、フラフラと遊び歩いて仕事なんてしてなかった。

学生の頃は、下ネタや汚い単語を連呼して騒ぐ男子に嫌気がさした。女の子に嫌がらせをしているところを何度も目撃して、そのたびに注意した。それでも、男子たちは平気で女の子の嫌がることをする。だから、男なんて大嫌い。