店の中に居たのは3人。



八雲さんに竜希さんに桂。




「おー、やーっと起きたかチビ助」




桂が椅子に座ったまま手を振ってくる。


どうした?

なんか……ボロボロだぞ?


八雲さんと同い年なんだけど、あたしにとっては悪友の桂。




「飯!!チビッ!!飯!!」




竜希さんがテーブルをドンドンと叩く。


竜希さんは頼れるお兄さんって感じ。



そんな竜希さんがお腹を空かせてる。


大変だ、急がないと。



八雲さんとは、さっき挨拶をしたから言葉は交わさないけど、笑って手を振ってくれる。


開店前の"シャーウッド"は"黒豹"の幹部達で騒がしい。


メンバーとの朝ごはんも毎朝の日課だ。




「チビー……」


「はいはーいっ」




あたしは竜希さんの要望に応えるためにキッチンへと急いだ。




「遅いっ!!」



「おはよー、麻也」




キッチンに入ると、いつも手伝ってくれる二人が待っていてくれた。


一人は同い年で、性別を越えた親友、川崎麻也(かわさき まや)。



淡いオレンジのふわふわヘアー。

クルクルとよく動く大きな茶色の瞳。

男にしては163㎝とまだ低い身長(禁句)


女の子と間違われる程可愛い顔をしていて、身長のせいもあって外に一緒に出掛けると姉妹などに間違われることが多い。