少女と過保護ーズ!![完]

「ごめん」


「あたしに、じゃないでしょ」


「……うん」


「謝って、ご飯食べよ」




ね?と麻也の頭を撫でると、沈んだ表情に少しだけ活気が出てきたように見える。


麻也は振り返って女のコを見た。



「……悪かった」


「気にしてはいない。いつも言われているから」




……いつも?


ケロッと何でもないように言う女のコ。



『……っ』



耳障りな笑い声。

見下す目。

身に覚えのない噂。




「だが、どうしても詫びたいと言うのであれば、モデル……」


「調子に乗るな。それは絶対にしない」




麻也と女のコが話してる。

けれど、その内容は頭に入らない。



あたしは……



「ハイネ」



いつの間にかすぐ後ろに八雲さんが居た。



「……八雲さん?」



あたしを抱き込むようにしてガスの火を消す。



「……あ」



温めていた味噌汁がグツグツと沸騰していた。




「ハイネ」



呼ばれて顔を上げると、八雲さんはあたしの前髪を後ろに撫でつけ、露わになったオデコにキスをした。



!!??



「ややややや八雲さ…!?」


「ん?」



優しい瞳があたしを見つめる。


真っ赤になったあたしにもう一度近づいてくる八雲さんの唇。



「……やっくん」


「ん?」


「そういう事は二人っきりの時にしてよね」




もうっと怒る麻也。




はわーーっ!!

そうだった!!

麻也と女のコが居たんだった!!



チラッと女のコの方を見ると、こっちを物凄い目で凝視してる。



なんで!?



肩を竦め、あたしから離れる八雲さん。



「飯にしようぜ」



「「「腹減ったぞーーっ!!」」」




八雲さんの言葉に主張する3人。




「ハイネ」



「うん、皆でご飯」




いつもの日課。


昔のことを思い出している暇なんてなかった。



味噌汁をついで、八雲さんと麻也がそれを運んでくれて準備完了。




「はい」



「え?」




あたしは女のコにも味噌汁を渡した。



「さっ、食べよう」



大量に作った朝ごはんは、1人加わったところでどうってことはない。


…はずだ。


目をギラギラさせてる“黒豹”達を見ていると自信がなくなってくる。



女のコを連れて、テーブルへ。




「揃ったな!!じゃ、いただきます!!」


「「「「「いただきます!!」」」」」