少女と過保護ーズ!![完]

お風呂も入ったし、歯も磨いてある!!


まさかこんなことになるとは思ってなかったけど、準備はバッチリだ!!



八雲さんの柔らかな髪が頬を撫でて、くすぐったい。


想いとは裏腹に体が震える。




ファーストキス。


心臓が破裂してしまいそう……。




「俺の……」
















カランカラーンッ!!



「「!!??」」



八雲さんが囁いた言葉はド派手に鳴った鐘の音で掻き消された。



俺の……?


何を言おうとしたの?八雲さん。



「たっだいまー!!僕の可愛い可愛いむす」


「……」


「……」




わぁあっ。

このタイミングでまさかの御帰還!!


目を見開いたあたしは、その人とバッチリ目があった。


今にも八雲さんとキスが出来そうな距離で。



すっごく目を見開いて、口もパカーッと開けたその人は……



伊藤海斗(いとう かいと)さん。


凛さんの旦那様で、あたしの養父。


そして"黒豹"の初代総長。



白に近い髪と瞳。


恐ろしい程の童顔で、30歳だけど、高校生と言っても全然イケる。


身長は170㎝くらいで、竜希さんや八雲さんと並ぶと、どっちが年上かわからない……。



「なーーっ!?」


「にっ、にぎゃあっっぶふっ!?」



店内の空気を震わす、海斗さんの絶叫。


パニックに陥りかけたあたしは八雲さんから離れようとするけど、八雲さんは離してくれず、逆に腕の中へ。




「お帰りなさい、海斗さん」


「ややややっくん!?こここここここれはどどどどどどどどういうこと!?」




海斗さん!?


吃り過ぎではないですか!?


ガッチリ八雲さんに抱き締められてる今、海斗さんがどんな表情をしてるのか全く見えない。



「どういうこと……とは?ハイネといつもの勉強をしていただけですが?」



と八雲さん。



「べ……勉強……?」



そして戸惑う海斗さん。



ですよね、さっきの体勢はどう見ても勉強とは程遠い。


てか、なんの勉強だ!



しかし……



あんなとこを見られても八雲さん……


普通……だな。


こんなこと……慣れてるの……かな。