少女と過保護ーズ!![完]

ビックリして涙が引っ込む。


顔を上げると、すぐ近くに八雲さんの旋毛が見えた。


あたしと八雲さんは30㎝は身長差があるから、滅多に見れないそれ。


おもわず触りたくなるほど可愛……


じゃなかった!!


八雲さんがあたしに頭を下げてる!?



「なんでっ、なんで八雲さんが謝るんですか!!」



どうして八雲さんがあたしに謝るの!?


謝らなければいけないのは、言い付けを守らなかったあたしなのに!!



「八雲さん!八雲さん!」




顔……顔を上げて!!




「何が守る……だ。守るどころか気付きもせず怪我までさせて……」




テーブルの上でキツく握られた手が震えてる。


いやいやいやっ。

学校に行ってる八雲さんが気付けるわけないしっ。


怪我をしたのも自分のせいで……。



バカだ、あたし。

自分のことばっかりで。


こんなにも八雲さんはあたしのことを思って考えてくれてるのに。


怒ってるなんて勘違いして、1人泣きそうになって。


さっきまでの恐さも不安も吹っ飛んだ。


あたしは八雲さんのキツく握りしめた手を、自分の手で包む。




「ハイネ?」


「守ってくれてますよ」



出逢った時からずっと。


"黒豹"の皆、"黒豹"の初代メンバーさん達。


凛さん、ご近所さんの皆に、ホイッスルが聞こえたら助けて下さいって頭を下げてくれていること、知ってるよ。


八雲さんが"ここ"に連れてきてくれて、あたしは身も心も満たされ守られてる。


今日だってホイッスルを吹かなかったあたしが悪くて、大事になる前に花音さん、健さん、"黒豹"の皆が助けてくれた。



全く問題なし。


八雲さんが謝る必要なんてどこにもない。



大きい手は全然あたしの手じゃ包みこめなかったけど、一度ギュッと握りしめ離す。


そして八雲さんの隣に移動して、まだ下げられたままの顔を覗き込む。



だから、どうか笑って。


顔を見せて。