それは防犯ブザーのごとく凄い音で、遠くまで鳴り響いた。



「「「うるっせぇっっ!!」」」



男たちが叫ぶ。



うん。



これはうるさい。


ご近所迷惑、甚だしい。


明日、謝りに行かないとな。



ゼェ…ハァ…。



酸欠。



「こんっっのっっ!!」


「クソアマ!!」


『"黒豹"の縄張りで、悪さをしようとしたこと、悔いて懺悔しろ』


「!?」


「"黒豹"!?」


「それ…」



男の1人がホイッスルを指差す。



気付いても遅い。



あたしからのSOSは発信された。



「クソっっ!!」



自棄になった男に胸ぐらを掴まれる。



「止めろっっ!!」


「んなことしてる場合かっっ!!逃げねぇと!!」


「ムカつくんだよ!!一発くらい殴らねぇと!!」



男が手を上げる。




そうかい。


でも残念。


その拳は届かない…







「ハイネーーーっっっ!!!!」




「!!??」


「なっっ!?」



怒号が響き渡った。