「ハイネ」
「チビネ」
心配してくれる二人に頷いて、あたしは新山の前まで行き、視線を合わせるため、しゃがみこんだ。
「オレ…オレ…は…」
「さっきの子達、きっと心配してる。あたしと友達なんて言ってるより、あの子達を大事にしてあげなよ」
ね?
と言えば、新山は項垂れながらも小さく頷いた。
それを確認してあたしは二人のもとへ。
「もう、いいのか?」
「うん」
「じゃあ、帰るべっ!!」
んーと、伸びをして言う蓮くん。
「って、買い物!!買い物行かなきゃ!!」
はぅわー!!
凛さんきっとハラハラしながら待ってるよ!!
「あっ、こらっっ!?チビネ!!」
どぁーっっと走り出したあたし。
しかし一転、踵を返しもう一度、新山の元へ。
「……覚えててくれて、ありがとう」
そこは、嬉しかったよ。
あたしのことなんて、誰も覚えてないと思ってた。
「そして、ごめんなさい」
覚えてなくて。
「うぉぉぉぉっっっ!!良い子!!俺も覚えてるぞ!!チビネ!!」
蓮くんは覚えててくれないと困るよ…。
「やめれ、そんな熱い目で俺を見るな!!」
冷めた目です。


