少女と過保護ーズ!![完]

ママチャリに乗ったおばさんが、ちょうどあたし達の横を通り過ぎようとして見てしまったらしい。



拳が風を切る。



殴られるってわかってもあたしは長岡から目を離さず、笑みを浮かべる。


暴力なんかで、屈すると思うなよ!



「ちょっと何アレ、ケンカ?」



「女の子がっっ!!」



「止めないとっ!!」



ギャラリーが増えてきた。



ああ。

もう、本当に面倒くさい…。



あっ、でも八雲さんがまた悲しむかな…。



それだけは嫌だな…。



この間の八雲さんを思い出す。



あんな表情をさせたくない。



「止めろ、康史」



「あ"あ"?!」



「俺の友達に勝手なことするな」



「……っ」




拳はあたしの頬に入る瞬間、止められた。



新山によって。



長岡が顔をしかめる。



すぐ近くにあるからこそわかる、新山がギリギリ音がするほど奴の拳を握りしめてるのだ。



「チッ!!」



バッと長岡が新山の手を振り払った。



「翔!!」



「翔!!」



女の子から非難なの声が上がる。



あたしが殴られるのを見られなかったからだろう。