「……そういえば、レティシアさん……言ってたな。『リーマスに会いたい！』って。僕は、止めたんだけど……」

「……シオンさん。フィオナが、分かったことがあるって」

携帯を片手に、エヴァンが部屋に入ってきた。

「……リーマスさん、実はマフィアの幹部の息子だったみたい。それに……今回の事件は、町の人全員が関わっていたらしい。だから、2人は町の人たちに捕まっている可能性がある」

エヴァンの言葉に、部屋にいた全員は驚いた。



「ごめんね。ありがとう」

綺麗な毛並みをした猫のあごを撫でながら、エヴァンは微笑む。

「……ここで間違いないみたい」

エヴァンは廃ビルを見上げながら、呟いた。エヴァンは、能力を使って猫に話を聞いていたのだ。

「皆……行くわよ！」

シオンの言葉に、皆は頷いた。



「……ふぅ。とりあえず、これで全員かな？」

廃ビルにいる町の人々を全員捕まえた後、エヴァンはリーマスとレティシアを縛っている縄を解く。

「……リーマス……あたし、一度もあなたのことを忘れたことがないの……あたしは、あなたに恋をしたの……その想いは、今でも変わらないわ」

「……縁を切ったとはいえ、僕はマフィアの幹部の息子だよ？」

「そんなこと、関係ないわ！あたしは、あなたが好きなの」