それから数日後。

不定期でマフィアが恐ろしい拷問を受けた状態で死んでいるのが発見されるようになり、フィオナとレティシアは最初に遺体が見つかった町に行くことになったのだ。

「この町の人々は、皆マフィアに対して憎しみを抱いているのね……」

町を歩きながら町を見渡したレティシアは、そう呟く。近くの花屋に目を移したレティシアは、足を止めた。

「……レティシアさん?」

フィオナは、足を止めるとレティシアを見つめる。少し一点を見つめていたレティシアは「リーマス?」と呟いた。

「……リーマス!会いたかったわ」

花屋にいる金髪に緑目の男性に、レティシアは近寄ると満面の笑みで男性――リーマス・プリムラを見る。

リーマスは申し訳なさそうにレティシアを見つめた後、「同姓同名なだけです」と返した。

「え……?」

「……それでは」

そう言って、リーマスは去っていく。レティシアは、それを呆然と見つめていた。



「……なぁ、今日はレティシアいないのか?」

仕事中以外は、必ずと言って良いほど捜査本部にいるレティシアの姿が見当たらず、フリージアは首を傾げる。

「あの子、リーマス?って子を見つけてから……会いたがっていたし……もしかしたら、会いに行ったのかもね」