「いらっしゃいませーっ!」

元気いっぱいの声に迎えられながらジェイと一緒に入ったのは、ポップな構えのファストフード店。
というのも、タクシーの中でデートの行先を相談してる時、ぐうぅうってわたしのお腹が鳴っちゃって……今思い出しても、めちゃくちゃ恥ずかしい。

まぁそんなわけで、ちょうどお昼時だったし、遊園地(目的地)付近のお店でまずは腹ごしらえ、となったのだけど。

ほんとにここでよかったのかなぁ。
ランチは払わせてって言ったから、気を使わせたんじゃ……。

とか、列の最後尾に並びつつ密かに心配していたら。


「ねえねえっ! あのカップル見て」
「なにあれ、めっちゃオーラある! すごいおしゃれだし!」
「2人とも背、高~い! 顔ちっちゃ!」
「あの子、スタイル良すぎじゃない? 足、ほっそ!」

同じくレジ待ちしていた人たちがざわざわし始めた。

うわ、みんなこっち見てる。

なんとなく居心地が悪く、隠れるように彼の後ろへピタッとくっつくと、「ん?」って怪訝そうな顔に見下ろされる。

「ジェイ、目立ちすぎ」

つい愚痴っちゃった。
間髪入れずに、ぶっと吹き出すジェイ。
「自分が見られてるとは思わないわけ?」

「一人の時は、こんなに注目されないもの。ジェイがいるからでしょ」
「はいはい、ま、そういうことにおくか。騒がれるの嫌だったら、先に座ってて」