そこは、撮影スタジオをイメージさせるような、白ベースのモダンなリビングダイニングルームだった。
アクセントになってる紫色のソファにはもちろん、長い足を組んでモデルみたいに座る彼が――
「じゃあ後はよろしく。また連絡する」
「あれ、電話中? ごめーん」
「いや、大丈夫。もう終わって――」
こちらへと顔をあげたジェイが言葉を切り……スマホをゆるっと下ろした。
「…………」
え……ウソ、反応なし?
ま、まさかのノーコメント!?
こういうの、好みじゃなかった?
「……ど、どう?」
続く沈黙に我慢できず、ついに声かけちゃった――ら。
「……すごく、素敵だ」
クールな表情が、くしゃっと無防備に崩れた。
そのちょっと照れた、子どもみたいな笑顔に――きゅん、と胸の奥で不思議な音がした。


