これからのリーズホテルズジャパンは、大丈夫だろうか。
あの人の周りには、支えてくれる人がいない……
苦々しく言って視線を落とすジェイへ、ライアンは身を乗り出し、その額を指で弾いた。
<……てっ!>
<もう縁を切ったんだろう? 後はどうなろうと、気にすることはない>
<そりゃそうだけど……>
<結局彼は、君と自分を同一化することで、自分の能力のなさから目をそむけているだけだ。それは彼自身が向き合うべき問題で、君はどうすることもできないよ>
どうすることもできない……と口の中で繰り返し、吐息をつく。
その通りだ。
結局のところ、自分に変えられるのは自分自身だけなのだから。
<さて、僕はそろそろ行くよ。君は?>
<あ、これ飲んだら出るよ。いろいろありがとう>
<どういたしまして――あ、そうだ>
何かを思い出したように、ライアンは浮かせかけた腰を戻した。
<これ、君に渡そうと思って取り寄せておいたんだよね。忘れなくてよかった>
ごそごそとリュックを探って彼が取り出したのは、シンプルな茶色の紙袋だ。
なんだろう?
コーヒーカップに口をつけたまま、ジェイは差し出されたものを受け取った。
この手触りと形からして、箱……?


