な、なんか感動してるっぽい?
何も覚えてないことがますます申し訳なくて、ひくっと顔が引きつった。
「あの時からずっと、オレは栞に夢中だ」
トクンっ……
それって。
それって……つまり……
「じぇ、ジェイって……M?」
ガクって派手にずっこけたジェイが、ぶはって吹き出す。
「なんでそうなるんだよ!」
「だって! クズって言われて喜ぶなんて!」
わたしも笑いながら冗談半分で、でも半分は本気で言うと、くしゃって笑み崩れたままの彼に「とにかく!」って腰を引き寄せられた。
「これでわかっただろ? オレがずっと、栞を想ってきたってこと」
「それは……う、ん、あの……はい」
恥ずかしかったけど、今度こそ素直に頷いた。
「もう一度会えるなんて思わなかった。キスできるなんて思わなかった。でも、夢が叶った今……もう手放すつもりはないから。オレの愛は相当重いけど、覚悟して?」
「ジェイ、わたしも――」
至近距離で、見つめ合う。
お互いの眼差しに誘われるように近づいていく、唇。
「わたしもね、ジェイのこと、好っ……んんっ」


