「〇×▲○◎◇! 〇×▲$%○◎◇&$〇×▲○◎◇〇×▲○◎◇!! 〇×▲○◎◇! 〇×▲○◎◇!!」
両手を振り回し髪を振り乱して、めちゃくちゃ怒ってる。
何を言ってるのかわからないけど……なんとなくわかる。
自分の想像を超えた展開を、受け入れられないんだろう。
「呼ばれているのはジェイ一人だけ、あなたは行かなくて結構だ」
エメラルドの瞳がさっきまでの親しみを消し、一瞬永久凍土のように冷たく光った。
「そうそうミスター偉平、あなたにはこれから、我々SDの審問に付き合っていただかなくては」
「し、しんもん……?」
「自分は次期総帥の父親になるのだと、随分軽々しく言いふらしているそうですね。それで実際にいくつかの契約が結ばれ、融資が行われたとか。詳しく話を聞かせてもらいましょうか」
ギクリ、と偉平氏の肩が跳ねる。
「そそれは、しかし、だが……その、……○×$%#……」
狼狽えて言葉を濁すその口調に、さっきまでの勢いはなかった。
「あぁ、2人はもう行っていいよ。フライトの詳細はマリーから聞いてくれ。まだ半日以上はあるから、まずはゆっくり休むといい」
「ありがとう、ライアン」
ジェイと並んで、わたしも慌ててペコリ。
ライアンさんはそんなわたしたちを交互に見つめてから、「あ、そうそう」と付け加えた。
「ジェイ、キングからもう一つ伝言がある」
「もう一つ?」
「総帥は、君の新曲が大層お気に召したそうだ。僕も、素晴らしかったと思う。君を、誇りに思うよ」


