マリオネット★クライシス


「ふざけるナっ!!」

口から泡を飛ばす勢いで、乱暴な言葉がぶつけられた。

「お前たちまだ子ども! ナンにもわかってない。子どものこと一番よくわかってるのは親なノダ! だから、子どもは親の言うことに従ってイればいいのダ!」


――栞ちゃんは、お母さんの言うことだけ聞いてればいいの。そうしたらちゃんと上手くいくんだから。

似てる……


――お母さんが今まで間違ったこと言ったこと、あった? ないでしょ? あなたに必要なことは、お母さんが全部わかってるんだから。

それはゾッとするほど、お母さんの言葉とそっくりで。
一瞬、何かが胸を押しつぶしそうになったけれど……


「『わたしはマリオネットじゃない』、と彼女は言った」

隣で響く静かな声に勇気づけられて、顔を上げた。

「オレも、ここで同じことを言いたい」


肩に乗った彼の手に、自分の手を重ねる。
わたしも、ここにいるよ――と。



「オレは、あなたのマリオネットじゃない」