「か、か、勘当っ!?」
心臓発作でも起こしたみたいに偉平氏が身体をビクつかせ、グワッと目を見開く。
これだけ離れていても血走っているのが見て取れた。
「音楽! ハッ! バカバカしい! お前には輝かしい未来が待ってるんダ! リーズグループ総帥! 世界中の王族とも対等に付き合エル、選ばれた人間ダゾ! 誰もが羨ム最高の幸せを、自分から手放スノか!」
「……それが、オレの幸せだと思ってるんだ?」
「当たり前ダロう!」
断定するような、断罪するような口調を聞いた瞬間、足が勝手に前へ出てた。
「ユウ……?」
それは違うと、間違ってると、今は確かにわかるから。
だから言わずにいられなかったんだ。
「それは、ジェイの幸せじゃありません。あなたの幸せでしょう。彼の幸せは、彼にしかわかりません」
――これだけは忘れないで。あなたにはあなたの人生がある。未来がある。それは、お母さんのものじゃない。あなたのものよ。
「彼の未来は、彼のものです」


