ガタンッって、手からカゴバックが落ちる。
こっちはもうびっくりしすぎて、目を剥くばかり。
まさかいきなりそんな展開とか、誰も思わないでしょ!?
心の準備も何も――……
「……んぁっ、ん、んーっ!?」
やややや、ちょちょちょ、ちょっと待って!
しし舌、入ってますけど、おにーさんっ!?
ちょっとちょっと!
相性診断ってここまでするの!?
腕の中で一生懸命ジタバタするんだけど、彼にとっては抵抗の内に入らないらしい。
「ん、ちょっと待っ……誰かが、来るかもっ……」
「その方がスリルあっていいだろ?」
「……す、スリ、る?」
「そういうの、期待してたんじゃないの?」
「それは、えっと……」
「誘って来たのはそっちのくせに」
う、そんな風に言われたら、何も言い返せなくなっちゃう。
期待してたことは、確かだし。でも……
首筋、鎖骨にちゅうっと続けざまに吸い付かれて、「ひゃんっ」なんて色気のない声が漏れ、なかなか次の言葉が出てこない。
「あ、あの……」
「黙って。あぁ口は、開けといて」
顎を掴まれ、すぐまた強引に舌をねじ込まれた。
「んぅっ」
固いビールケースに肘や背中がガツガツ当たったけど、激しいそれを受け止めることに精いっぱいで、痛みなんて感じてる余裕はなかった。


