「あ、の……」
「じっとして。まずは相性、確かめなきゃな?」
「相性……?」
おうむ返しにするわたしの頬を撫でていく、長い指。
中性的な綺麗顔してるくせに。
柔らかなだけじゃないその感触は確かに彼が男の人なんだって伝えていて、ゴクッと喉が鳴った。
コラコラ、ここで恥ずかしがってどうするの。
今からこんなんじゃ、抱いてくれなんて頼めやしない。
しっかりしろ、わたし!
心の中で唱えて。
指先が頬から首筋、そして髪の中を探り……焦らすように後頭部へ移っていくのを、唇を結んで耐える。
間近で見下ろされ、ドクリと鼓動が波打った。
濁りのない眼差し、白とチャコールグレイのコントラスト――
あぁやっぱりわたし、この瞳に弱い。
見つめられるだけで、なんだか気持ちがフワフワして、身体が熱く……
「君の名前は?」
「なまえ……えっと、名前は、ゆ――」


